味覚のアジアへ ビストロ・Ami

 安くておいしいものを、お腹いっぱいに食べたい―。学生なら、きっと誰もが考えている事だろう。できれば、いつもとは一味違った雰囲気の食事を楽しめたら、なお理想的。そんな願いに打ってつけなのが、ランチは500円から食べられるアジア料理店、ビストロ・Amiだ。
 目白駅横の階段を下り、右手に少し進んだところに、このお店は見つけられる。店内の壁には、カラフルな椰子の木や蓮の花が描かれており、足を踏み入れたとたん異国情緒に身を包まれる。温もりある木の机に着けば、エキゾチックな気分で食事が楽しめるはずだ。
 メニューには、色鮮やかなアジア料理が並ぶ。中でも目玉料理なのが、タイカレーとフォー(単品500円)だ。このタイカレーは、私たちが日頃からよく食べ、よく知っているカレーとは見た目も味も全く異なる。緑色のルーは、ココナッツミルクと数種の香辛料が調理されたもの。さらに、パプリカやピーマンなどの野菜がご飯に盛られた、エスニックな一皿なのだ。まろやかなミルクの風味とこだわりのスパイスが見事にマッチし、やみつきになる甘辛さである。しかも、お店の方に頼めば好みの辛さに調整してもらえるそうだ。本場の味も、日本人の舌に合うよう工夫されているので、挑戦しやすく感じられるだろう。
 一方、フォーは「ベトナムのうどん」と称されている食べ物だ。日本のうどんと異なるのは、麺がお米から作られているところ。平べったい形の細麺は、つるつるとなめらかな食感が楽しめる。山盛りのもやしも、あっさりとしたスープを引き立てており、大満足のおいしさだ。
 さらに定番のアジア料理なのが、インドネシアナシゴレン(単品650円)だ。「ナシ」はご飯、「ゴレン」は炒めるの意味の通り、中華料理のチャーハンに似た一品である。ご飯と玉子に、えびやピーマンなどが盛りだくさんに炒められ、なかなかのボリュームだ。目玉焼きとえびせんべいのトッピングも嬉しい。「サンバル」という辛い調味料が一緒に提供されるので、それをかけて味を変えるのも愉しいだろう。
 ランチセット(1000円)は、タイカレーかナシゴレンのどちらかが選べ、ミニサイズのフォーとサラダ、デザートが付いてくる。また、食後にはチャイニーズハーブティー(200円)で一心地つくのがおすすめ。黄色く澄んだお茶は、爽やかな香りの良さで気分を和ませてくれる。
 このような、国籍をまたがったアジア料理店を始めたきっかけは、店長が以前の仕事で現地の料理を味わったことからだったそう。一見、国それぞれで全くバラバラにも見えるアジア料理。しかし、まず『炒め』てから『煮る』という調理課程がベースとなっている点で、どの国でも共通しているのだとか。これが『煮る』に特化した日本料理とは根本的に違っており、興味深く感じられたそうだ。
 店名の「ami」は、イタリア語で「友達」の意味。その名のように、友が集まりわいわい楽しく食事のできる店が、店長の理想だという。友人と過ごす学生生活の豊かなひとときを、ここビストロ・Amiで味わってみては。(市川美奈子)
定休日…日曜日、祝日※昼のみ、夜は無休
営業時間…11時半〜14時 17時半〜26時