世界で掴んだ勝利の喜び 應援團チアリーダー部 高橋牧子さん(営4)

 試合会場に華を添えるチアリーディング。応援としてではなく、競技として臨んだ世界選手権大会に対する高橋さんの想いは計り知れない。
 新体操や体操、水泳といったスポーツをしてきた高橋さんがチアリーディングに出会ったのは中学3年生の時であった。憧れから始めたというチアリーディングは、彼女の性格に大きな変化をもたらした。かつては悩み事があっても人には相談せずに、自分で解決していたと過去を振り返る高橋さん。活発なことが好きではなかったようだ。しかし、「今では何事にも前向きに取り組むようになり、口で言わなければ自分の考えは伝わらないということも実感しました」とこちらも思わず微笑んでしまう程の明るさを見せる。
 そんな高橋さんが日本代表ナショナルチームの一員として世界選手権大会に出場しようとしたきっかけ。それは大学の代表としてだけではなく、自身の活躍の場を広げるためにも技術を磨きたいという向上心からであった。それでも昨年の1月から始まった選考会では、選手が絞られていく中でなぜ自分が残っているのかという疑問があった。
 16人のメンバーに選ばれた後も不安は拭えず、とにかく必死になりながら日々練習を重ねる。そして2007年11月、日の丸を背負い決戦の舞台に臨んだ。外国の選手たちの迫力に圧倒されながらも、表現力の美しさを武器に2分30秒間を演じ切り、見事優勝を勝ち取った。努力が報われた瞬間だ。
 高橋さんが世界大会を通して学んだこと、それはどんなに辛くても決して諦めないということ、そして仲間を強く想う気持ちであった。全員の心が一つにならなければ、演技は全て土崩瓦解となってしまう。「普段は上下関係が厳しくても、演じるにあたっては、全員が意見を言える環境を築き上げていきたいですね」と部活動へ対する真剣な思いを述べた。
 これからの季節、スポーツ観戦をする機会も増えることだろう。今度試合を見に出かけるときには、是非とも選手たちの傍で勝利を願い、輝き溢れる笑顔を放つ彼女たちの姿にも注目してもらいたい。(橋本茉莉菜)