防衛大を攻守で圧倒

 渡辺啓二郎主将(法4)は試合前、「初戦は絶対に落とせないので、とにかく勝ちたいです」と力強く語ってくれた。時折小雨がばらつく悪天候のなか、今後の戦局を占う重要な一戦が始まった。
 開始早々、まずは本学が先手を取る。3分に斉藤慎選手(法2)が、その3分後にも小野旭登選手(法2・あさと)がともに惜しいシュートを放つ。さらに13分までにペナルティコーナーを4度得るが、いずれも相手GKに阻まれ、チャンスをものにすることができない。
 ここまでもどかしい思いをしてきた本学であったが、直後の15分、待望の先制点を挙げる。相手のシューティングサークル内で混戦になると、こぼれたボールを小野選手が確実に押しこんだのだ。
 このまま点差を広げ、余裕を持って試合を進めていきたい本学。だが、右サイドを中心に相手の守備網を幾度も崩すものの、どのプレーもゴールには結びつかなかった。逆に一瞬の隙を突かれピンチを迎えたが、GKの高田龍太郎選手(政3)の好セーブがあり、前半をなんとか無失点で切り抜けた。
 ハーフタイムを挟み後半がスタートすると、本学がボールを支配する時間が長くなる。天明浩史選手(済3・てんみょう)と谷内克也選手(法3)がボールをキープし、攻撃のリズムを作ったのだ。徐々に本学のペースに防衛大を引き込んでいき、得点の予感が高まっていく。ついに後半12分、斉藤陽介選手(営3)が左サイドから出した高速のパスを天明選手が上手く合わせ、見事にゴールネットを揺らした。
 これで2点のリードとなり、本学の勢いはさらに増していった。中盤の選手からの正確なスルーパスが、次第に相手を追い込んでいく。そして後半の22分、センターライン付近で大きくサイドチェンジし、相手ディフェンスに揺さぶりをかける。手薄になったところを斉藤陽介選手が突破し、そのままシュート。1度はGKに弾かれたものの、またしても小野選手が決め、3―0とする。
 ダメ押しの3点目が入り、勝利をほぼ手中に収めた本学。終了直前にペナルティコーナーを献上してしまうが、守備陣がここ一番の集中力を発揮する。最後までゴールマウスを死守し、本学は完封勝利で初陣を飾った。
「早い時間帯で先に点を取れたことがよかったと思います。しかし、その後シュートを打つ局面まで持ち込むことができませんでした。その結果、1点目の後の追加点をなかなか奪うことができなかった点は、改善しなければなりません」と冷静に振り返る渡辺主将。決して内容には満足していない。それでも、「今日は日頃の練習の成果を出せたことで、勝つことができました。これからの試合に全勝し、1部への入れ替え戦を戦いたいです」と結果が出たことに、手ごたえは掴んだようだ。
 実力通りの強さを見せ、初戦を首尾良く制した本学。1部昇格という悲願達成に燃えるホッケー部の視界は明るいだろう。(平野健)