堅守で東海大を完封

 試合開始の笛が鳴ると同時に、まず攻勢に出たのは本学であった。本学は素早い攻めで、相手のシューティングサークル内までボールを持ち込む。開始1分と経たないうちに初川良輔主将(法4)がシュートを放った。得点には至らなかったものの、その後の展開に期待を抱かせる、見事な速攻であった。
 勢いに乗っている本学は前半3分、相手の反則によりペナルティコーナーを取る。鈴木翔太選手(法3)が出したパスで谷内克哉選手(法2)がシュートを決め、先取点を挙げた。
 点差を広げ、優位な立場で試合を進めたい本学だが、ここから我慢の時間が続く。左サイドの突破から活路を見出そうとし、幾度となくシューティングサークル付近にまでボールを運ぶ。しかし、これ以上離されたくない東海大も必死の守備を見せ、本学にはなかなかシュートチャンスが訪れなかった。
 前半の中盤にさしかかる頃から、本学が攻める時間は少なくなっていた。失点しやすい局面だったが、本学のディフェンスは安定しており、決定的なチャンスを作らせない。FWの選手が早い段階からプレッシャーを与え、東海大に攻撃のリズムが生まれることを未然に封じたのだ。また、最終ラインを形成する DFも高い集中力を維持し、突破を許さない。放たれるシュートもゴールの枠を捉えたものではなかった。
 前半27分、膠着状態にあったゲームを動かしたのは本学であった。ペナルティコーナーの機会を得ると、すかさずシュート。ゴールキーパーが弾いたところに阿部健太郎選手(法2)が素早く反応し、そのままゴールに押し込んだ。
 2―0となり、余裕がでてきた本学は、さらに相手を突き放す。前半28分、鈴木選手が、ゴールキーパーの一瞬の隙を見逃さず、トラップミスしたボールを奪う。それを冷静に流し込み、スコアを3―0にして、前半を終えた。
 前半のペースで得点を重ね、入れ替え戦の出場をかける次の試合に向け、弾みをつけたい本学。しかし、後半は両チーム共にチャンスをものにできない。後半4分、本学はペナルティコーナーを与えてしまう。このピンチをゴールキーパーの宍戸幸哉選手(法4)が凌ぐと、本学はすぐさま攻撃に転じる。シュートを打つ場面まで持ち込むが、惜しくもゴールキーパーに止められてしまった。
 その後、試合は動かず、時間だけが過ぎていく。後半27分、久保田隼人選手(営4)が立て続けにシューティングサークル内にパスを入れるが、結局得点には結びつかなかった。逆に終了間際、後がない東海大の猛攻にさらされる。相手の渾身のシュートを宍戸選手がなんとか防ぎ切り、試合は終了。こうして本学は終始リードを維持し、東海大を完封した。
 試合後、初川主将は喜びの言葉を口にした。「きっちり勝つことができました。また、自分たちのペースで点が取れたことも良かったですね」と試合内容にも満足したようだ。
 今回の勝利は本学にとって大きな自信となったはずだ。この勢いに乗り、入れ替え戦も乗り越え、念願の1部昇格を果たして欲しい。(平野健)