学問を志す君たちへ〜4学部長寄稿〜

 4学部長より、新入生の皆さんにお祝いのお言葉をいただきました。
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法学部長 井上 寿一教授
「活動のフィールドを広げよう」
 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。皆さんが私たちの学習院大学、私たちの法学部のもっとも重要なメンバーとして参加される日を指折り数えて待っていました。皆さんを歓迎します。
 大学では皆さんは大人扱いされます。これは大学という場が社会へのリハーサルの場だからです。他方で大学生活の4年間は、あとでは取り返すことのできない貴重な時間です。自分の将来を決定づける人や本との出会いを求めて、キャンパスの内外に活動のフィールドを広げてください。
 社会との繋がりの中で、知的に充実した学生生活を過ごされるように期待しています。
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理学部長 高橋 利宏教授
「自然科学の姿」
 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
 理学部は今、大きく変わろうとしています。この変革の時期に入学された皆さんを、私たちは心から歓迎します。
 理学部では、物理学、化学、数学に加えて、第4の学科を作るため準備が着々と進んでいます。これは、自然科学の急速な進歩を反映したものです。自然科学を学ぶには3学科では足らなくなって来たということの証です。
 どの学科も、最先端の学問が日々創り出されている現場であることを、皆さんはじきに実感されるでしょう。理学部では、その過程を直接、目で確かめ、手で触れてみることが出来るのです。これから4年間、この作業に、皆さんも加わってくださることを、そして、受験勉強では味わえなかった本当の自然科学を楽しんで下さることを希望しています。楽しむには、いささか工夫と努力が必要です。私たちは、皆さんの充実した4年間をお手伝いするつもりです。
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文学部長 高埜 利彦教授
「積極的な取り組みを」
源氏物語」が書かれて一千年が経ちました。今日までどれほどの人びとが読み継ぎ、語り継いできたことか、その数は計り知れません。また「日本書紀」が国の歴史編纂事業として完成したのが、西暦七二〇年のことですから、一三〇〇年近くも「日本書紀」は伝えられ、研究の対象とされてきました。この間、例えば江戸時代にも「源氏物語」や「日本書紀」は読まれていたのです。
 文化や学問とは、このように一千年を越える継承を担っていく面があります。それと同時に現代社会固有の問題と直結し、未来に向かう経済学や理学や法学などとともに、国際的な異文化理解や人間の心を解明する学問もあります。
大学に開かれている多様な学問に、新入生の皆さんが、積極的に取り組むことを願っています。
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経済学部長 岩田規久男教授
 「学問を学ぶ」
 入学生の皆さんはいま、大学受験生活から抜け出して、さぞやほっとしていることでしょう。中には、「もう勉強はたくさんだ。これからは大いに遊びたい」と思っている人もいるでしょう。実は、私も大学に入学したときはそうでしたから、その気持ちは良く分かります。
 遊びや部活やクラブ活動の中で学んだり、友達を作ったりすることにも大いに意義があります。しかし、大学生活の基本はやはり「学問を学ぶ」ことです。ここにいう「学問を学ぶ」とは、与えられた解答を記憶することではありません。絶えず、疑問を持ち、批判的に物事を考える力を鍛えることです。皆さんには、大学での講義や演習で学んで、そうした力を鍛えていただきたいと希望します。
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 4学部長が述べられているように、自分の可能性を広げるためには積極的な行動が欠かせません。逆に、行動しなければ、何も得られぬまま時間が過ぎていきます。実りある4年間にするためにも、様々な分野に挑戦してみてください。(曇)