1年ほど前、複数の大学に合格した私は、どこへ行くべきか非常に悩んだ。周囲に流されるままに生きてきた私にとって、重大な選択を自らの手に委ねるのは初めてのこと。困り果てた末に両親や友人に相談したものの、一向に結論は出なかった。
結局、明確な理由がないまま本学へ進学する。だから入学後しばらくは、自分の選択は正しかったのか、という疑問がつきまとっていた。
 そんなある日、授業を終えバイトまでの時間を持て余した私は、図書館に立ち寄った。その際、何気なく手にとった一冊の心理学に関する書。そこには、以下のようなことが記されていた。「選択とは、複数の幸福のうち、一つを選ぶということ。だから、どんな選択をしたにせよ、結局あなたは幸せなのだ」
 この一節を読んだとき、私の考え方は大きく変わった。過去にこだわるのではなく、前向きに生きていこうと思えるようになったのである。
 そして今の私は、大学生としての現在を楽しみ、充実させたいと心の底から思っている。どの道を選ぶかということより、選んだ道をどう歩むかが大切である、という答えに辿り着いたのだ。
 新入生諸君も、本学進学という選択した道を、意義あるものにできるよう精進してほしい。そうすれば、充実した毎日を送っている自分に出会えるはずだ。(宮)