割引手段のあれこれ

 旅費を安くする上で、まず思いつくのが行き帰りの交通費の節約だ。新幹線や飛行機を使えば、時間はかからないが、どうしても高くつく。そこで、普通列車や高速バスを利用するというのも、選択肢の一つである。また、節約して旅行を楽しむなら、宿泊先にも気をつけたい。選び方を工夫すれば、ホテルより安く済ませられる方法もある。ここでは、交通や宿泊において、なるべくお金のかからない手段やサービスを紹介しよう。

  • JRの割引サービス

 まずは、JRを利用する際に活用したい割引サービスを見てみよう。JRからは、数多くの割引切符が発売されている。中でも一番有名なのが「青春18きっぷ」だ。これは、簡単に言えば1日フリー切符のこと。もちろん18歳でなくても、誰もが購入できる。5回分が11500円で売られており、2人以上のグループで利用することも可能だ。ただし、利用期間は長期休暇中のみに限定されている。また、別料金のかかる特急などには使えない。普通列車や快速列車だけの利用となるので、長時間の乗車に耐えられる人でないとオススメできない。
 そのほかに、「往復乗車券」の存在も知っておきたい。これは、片道601㎞以上の場所なら、往復切符を買うことで1割引になるというもの。長距離を移動する場合は、これも活用してみてほしい。
 割引切符のすべてをここで紹介することはできないが、もう一つ例を挙げておこう。「3連休パス」はその名の通り、3連休を使った旅行の際に利用できる切符だ。これを使えば、JR東日本全線と、いくつかの路線がフリーパスになる。値段は26000円。一見高めに見えるが、この切符なら特急に乗ることもできるというプラス面がある。節約旅行の王道からは外れるが、余裕があれば、選択肢に加えてみてはいかがだろうか。

  • 高速バスという選択

 高速バスは鉄道と比較して、乗り換えが不要な点がメリットとして挙げられる。さらに、通常料金が安いので、節約旅行をするにはもってこいだ。
 しかし鉄道に比べ、高速バスの割引サービスは多くはない。会社によって多少の差はあるが、共通しているのは、鉄道と同じ往復割引。そして、大学生には欠かせない学生割引だ。これらを利用すれば、約2〜3割の割引となる。

  • 宿泊費を抑えよう

 さて、ここまでは交通費を節約する方法を紹介してきた。だが「せっかくなら、宿泊施設でもなるべく出費を抑えたい」という人もいるだろう。そんな人は、ユースホステルに泊まるのも一つの手だ。
 ユースホステルとは、ドイツ生まれの「旅の宿」ネットワークのこと。現在、日本全国には約350ヵ所のユースホステルが存在する。1泊3000〜4500円程度で泊まれるため、非常に経済的だ。ちなみに、会員になることでさらに宿泊費は安くなる。登録は、日本ユースホステル協会のHPから可能。なお、注意してほしいのが、この施設は4〜8人の相部屋となっている点だ。それが苦にならない人なら、一度泊まってみるのも面白いだろう。

  • 節約のメリット

 交通費と宿泊費は、旅費の中で大きな比重を占める。そこを節約することができれば、ほかの部分に多くのお金を割くことができる。ここで紹介した割引を使えば、充実した旅行を満喫することができるはずだ。(新原大輔)