安くて旨いごはん

 食事は旅行の楽しみの一つ。そして旅の印象を決めると言っても過言ではない。ここでは、そんな食事面に注目していきたい。
 今回のように、安価な旅行を計画する場合、食事に対する考えは大きく分けて2つある。「お金をあまりかけずに、かつリッチな食事をしたい派」と、「あくまでお金をかけないで食事をする派」だ。
 普通に食事をするなら、それなりの金額を覚悟しなければならない。そこで利用したいのがホテルのサービスだ。一見、ホテルでの食事は高いように思える。しかし、割引サービスを利用すれば意外と安くなるようだ。主な割引サービスとして、記念日特典やクレジットカードの会員割引、ホテルのHPでの割引クーポンなどがある。サービスの種類によって割引額は異なるが、一つのサービスで大体500円〜5000円の節約ができるようだ。旅行日程を誰かの誕生日に重なるようにしたり、HPなどを細かくチェックしておけば、お得なことが多い。
 また、郷土料理を堪能したい場合は、観光地や駅周辺を避け、街中で食事をした方がよい。観光地によっては、料金が割高になっていることがある。これは、おみやげを買うときにも応用できる。まず、おみやげは最後に買うのが鉄則だ。最初に買うと荷物になるし、もっと安く売っている場所もあるからだ。時にはスーパーで観光地の半額程度で売られていることもある。この方法だと、知らない街を散策もでき、一石二鳥ではないだろうか。
 もしも駅周辺などにデパートがあるのなら、デパ地下にも足を運んでみよう。デパートには高いものしか売っていない、という先入観は捨ててほしい。デパ地下では、地域限定の食品や弁当が販売されているだけでなく、試食販売もしている。「ちょっと食べてみたい」程度の名物だったら、試食をして気に入ったら買うということもできる。
 次に、極力お金を使わないで旅行をしたい場合、ペットボトルを持参する、または現地で購入するのが得策だ。ペットボトルが飲み物代の節約になるのは想像がつくだろう。さらに、飲み終わったら水筒代わりにもなるので、宿などでお茶を作って入れていくこともできる。
 地域感を味わえる安価な食事といえば、駅そばやうどんがある。関西と関東でダシが違うのは有名だが、ほかにも具などに違いがあるようだ。普段はうどん派の人も、そばの名産地でそばを食べれば旅行気分が味わえる。具の違いに興味のない人は、かけそばなどにすればお財布に優しい食事にもなる。
 安さの極みに挑戦したい人は、カップ麺類で3食乗り切るという手もある。最近のカップ麺は、味のバラエティーも豊かなので、飽きることはないだろう。さらに、地域限定のカップ麺も多くある。それを主食にし、地域限定のお菓子をデザートにするのも面白い。旅行気分なんか味わえなくてもとにかく安ければいい、というツワモノには、ファーストフードが強い味方となるはずだ。 
 やり方次第で、食事は安くすませることができる。ここは貧乏旅行者の腕の見せ所だ。(掛川千尋)