好奇心を失わない生活を

 今回は、外国語教育研究センターのローラ・マクレガー助教授にお話していただきました。

  • 音楽からの転機

 5歳からずっとピアノやチェロを弾いていて、大学も地元カナダのトロント大学の音楽科に入りました。そして、大学で学んだ音楽理論に興味を持ち、卒業後はニューヨークの大学院に進学したんです。しかし、そこは非常にレベルの高い学校で、また、当時のアメリカの物価はカナダよりも高く、精神的にも経済的にも辛い生活でしたね。ですから、留学する時には学校のレベルだけでなく、楽しい思い出を作れる場所かどうかも検討すべきだと思います。
 大学院の修士課程を終えてから、博士課程に進むまでには、1年間の猶予期間がありました。その時、音楽の勉強とは関係なく、英語圏以外の国に行きたいと思い、日本でアシスタントイングリッシュティーチャーの仕事に挑戦しました。場所は北海道の田舎の中学校。最初は不安だったのですが、結果から言うと最高の1年間でしたね。日本の文化や習慣、料理の作り方も学べました。当時の友達とは今でも連絡しています。人のつながりの多い田舎だからこそできた経験だったと思います。
 結局、ずっと日本に住みたいと決心し、博士課程への進学はやめました。それまで20年間学んできた音楽の勉強を諦めることになりましたが、私の心は日本のことでいっぱいで、後悔はありませんでした。

  • 旅で広がる視界

 高校時代、家族でカナダ全土を8週間かけてキャンプの旅をしたんです。ゆっくり時間をかけて色々なところを回ったことで、かけがえのない経験ができました。学生の皆さんも、日本国内でもいいので、旅行をたくさんしていただきたいです。自分の国の文化を学び、好奇心を忘れないために。ぜひ、勉強やバイトだけでなく、視野を広げ、悔いのない大学生活を送ってください。(取材・構成 小倉正也)

  • PROFILE

1989年アメリカ・ロチェスター大学院卒業後、渡日。上智大学英語学科講師を経て、02年より、本学外国語教育研究センター助教授。