法学部政治学科2年 眞子 裕顕さん

 眞子(まなご)さんの夢は法科大学院に行き、法曹の世界へと進むことだ。「法律を学び、人や社会に大きく貢献できる存在になりたい」。そう語る眞子さんには過去、法曹界を目指すきっかけとなった出来事がある。祖父が酒気帯び運転の車にはねられ、亡くなったのだ。そうして法による正義の実現――その重要性を強く感じるようになった。
 現在は本学で夢に向け勉強している眞子さんだが、以前は有名なホテルで調理師として働いた経験を持つ。しかし、任される仕事は雑務ばかり。何の喜びも見出せない毎日だった。そこでの自分の存在は「ちっぽけなネジみたいなもの」だったという。本当に自分がしたいことは何なのか。そう悩んでいた時、祖父の事故が脳裏をよぎった。
 思い立って「調理師を辞め、大学で法律を学びたい」と切り出すと、両親は快く後押ししてくれた。一からの受験勉強にはじめはとまどったが、「絶対に這い上がってやる」という強い気持ちで勉強を続け、見事本学に合格。現在サークルでは副委員長を務め、多忙な毎日を送りながらも、人の役に立てることへの喜びを感じている。
「今夢を追えるのも、自分を支え続けてきてくれた両親のおかげ。必ず夢を叶えたい。それが両親への恩返しです」と、彼は力強く語る。その表情には、両親への深い感謝の念と、法曹の夢に対する決意がみなぎっていた。(取材・構成 今村隆介)