page.3 外国語教育研究センター 大澤顯浩教授

 今回は外国語教育研究センターの大澤顯浩教授に大学院の頃の思い出を語っていただきました。学生時代の大澤教授はとても研究熱心だったそうです。

  • 中国留学を志す

 私は大学院生の時、中国の歴史について研究しながら学会誌の編集をしていました。さらに中国史の理解を深めるため、北京大学に留学することにしました。しかし、当時の私は中国語を話すことがあまり得意ではなかったのです。そこで、中国からの交換留学生に中国会話を教えてもらいました。また、会話テキストの暗唱を何度も繰りかえして練習し続けました。

  • 留学中の思い出

 中国に留学している2年半の間、私は数多くの史跡を訪ねてまわりました。当時の中国には、まだ古くからの城壁がそのままの形で残っていることに驚きましたね。ここには経済発展の進んだ日本よりも興味深いものがたくさんありました。また、漢文にあるスローガンは美しい内容ですが、史料を読み解くことにより、そんな美辞麗句に隠された中国という国の裏の姿も知ることができたのです。列車の切符を買うのにもいちいち行列に並んだり、史料を自由に閲覧できないなど苦労したこともありましたが、それでも学ぶことの多い留学生活でした。留学中の出来事について書き記した「工作日記」は大切な思い出の品です。

  • 今も変わらぬ好奇心

 学生時代の私は、中国史の勉強に夢中で取り組みました。それは漢文の読み下しや史料の照合など、一見地道な作業の繰り返しです。けれども、史料の本質を理解できるようになった時には、まるでジグソーパズルを完成させたかのような達成感がありました。そんな知的好奇心は大学の教員になった今でも変わりません。今の学生にもそんな学ぶことの楽しさを知ってもらいたいですね。(取材・構成 吉崎大記)

  • PROFILE

1981年京都大学文学部史学科卒業。90年同大学院文学研究科博士後期課程学修退学。99年より本学の助教授を経て、05年より現職。