都心のオアシス

 いつものように山手線で目白に近づくと、窓の外からうっそうと木々の生い茂った我がキャンパスが視野に入る。それにしても、都心にある大学にしては緑が多い。不思議に思った私は、施設部に話を伺ってみることにした。
 担当者の話によると、なるほど目白にキャンパスが完成する以前、元々この周辺は畑や山林であったそうだ。それならば、敷地内の約35%が緑地である事実にも素直にうなずける。しかし、学外へ出て辺りを見回してみると、もうすっかり開発され、街並みには緑があまり見当たらない。では、なぜ本学にはこれほどの樹木が残っているのだろう? 
 どうやら、これは緑地の管理に携わる人々のおかげらしい。定期的な剪定や草刈りはもちろん、計画的に緑化を推進してきたのだとか。また、今まで校舎を新築する際に、樹木を伐採せざるを得ないことが度々あった。そのような時には、それ以上に植樹するか、移植してきたという。
 このようにして本学の緑は、長い間多くの人々の手によって培われてきた。ずっと同じものを守り続けていくその心意気、見習うべきではないか!(夕)