苦境で魅せた演技 應援團チアリーダー部

 昨年12月9、10日に、全日本学生選手権大会が開催された。会場の国立代々木競技場第1体育館には、全国から約100チームが集結。本学からは、ディビジョン1、ディビジョン2、演技発表のみのエキシビジョンの3部門に分かれて、3チームが出場した。9月から練習を始め、本番さながらの通し練習も、100回以上繰り返してきた本学。ディビジョン1シード出場のAチームの中村万梨子部長(英4)は大会前、「全ての技を成功させ、観客の皆さんに気持ちの伝わる演技をし、感動させることです」と熱い思いを語っていた。
 しかし、大会前日の練習でAチームのメンバーの1人が怪我をしてしまう。そして当日の朝に、本番の構成をやむを得ず変えることになる。彼女たちは残されたわずかな時間で一度も通したことがない演技の練習を重ねた。
 そうして迎えた本番は、序盤から必死に拍子を取り、それに合わせて各々のポジションについていく。その中で、スタンツと総称される組み技や回転技などを次々と成功させる。急遽変更したことを感じさせない素晴らしい演技で、強豪チームとしての実力を発揮した。
 やがて音楽が消え、掛け声を中心とした応援へと移る。彼女たちはこれまでの不安を振り払うかのごとく、力の限り声を出した。再び音楽が流れ始め、クライマックスへと向かう。ここで2つのタワーを組むという大技に挑戦。一人、また一人と基盤を作っていく。だが、片方のタワーが頂上でぐらつき、すぐに最後の一人を落としてしまう。最終的に成功したのは1つのみだったが、それ以外はほぼ完璧であった。こうして渾身の力を振り絞った2分30秒の演技を終えた。
 結果は210・5点で、16位。アクシデントにより難易度の高い技ができなかったにもかかわらず、チームの予想を上回る高得点を獲得した。チアリーディング協会関係者や他団体からも、短時間で確実に技を仕上げた点などを高く評価された。また、Bチームもディビジョン2で171点と11位で、まずまずの成績を残している。
 大会後、中村部長は「不測の事態でチームの真価が問われることになった大会で、自分たちの真の強さを出すことができました」と振り返る。窮地を乗り越えての演技は、多くの観衆を魅了した。それを可能にした強い精神力で、今後も彼女たちは感動を生み出していくだろう。(中谷美穂)