執念で掴んだ初出場の栄光 陸上競技部川内優輝さん(政3)

 去る1月3日、第83回東京箱根間往復大学駅伝競走において、関東学連選抜のメンバーに選出された川内さんは、復路6区を走破した。箱根駅伝に本学学生が出場したのは、本学創立以来初の快挙である。高校では怪我に泣いた川内さんだが、本学に入学後、不屈の闘志で今回の挑戦を掴んだ。
 昨年10月に行われた予選会に、本学陸上競技部は怪我人まで総動員して出場。選手の余裕が全くないまま戦うこととなる。残念ながらチーム全体の成績は振るわず、箱根初出場への希望は絶たれかけたかに思われた。しかし、川内さんが個人で500人中37位という記録を残した。それが評価され、関東学連選抜の一員として本大会への出場が決定したのである。川内さんは、「歴史ある大学の代表として重圧をかなり感じました。でも、憧れの駅伝に出ることができて嬉しいという気持ちも当然ありましたよ」と選抜入りを果たした際の心境を語った。     
 その後、川内さんは自分の希望する6区を意識し、ひたすら練習を積んだ。下り坂なら強豪校とも渡り合えるという自信があったからだ。そして、その念願は見事に叶い、遂に6区を任された。
 こうして大会当日、長距離走者の晴れ舞台に立った川内さん。学連選抜のたすきを託されると、20・8キロの道のりを全力疾走。1時間0分24秒と、好記録で堂々と坂道を駆け抜けた。競技中の様子について川内さんは、「大会自体はそれほど緊張しませんでした。いつもと同じように走るだけですから。ただ、今回は応援が凄かったですね。本学出身の方々や、路上の一般の人たちからの声援がとてもありがたかったです」と感慨深げに語る。温かい人々の心が、川内さんの力となったのだ。さらにレースを振り返り、「走っている最中は、とにかく太ももが痛みました。何とか走りきれて一安心したというのが正直な感想ですね」とも話してくれた。
 このように、強敵ひしめく激戦を戦い抜いた川内さん。「今後の個人での目標は、まず5月の関東インカレで3位以内、6月の日本インカレでは自己記録を更新し、次の箱根に繋げることです」と新たな高みを目指し、明確な目標を掲げて日々邁進する。燃える思いを胸に、川内さんは今日も走り続けているのだ。(澁谷毅士)