私には大学新聞社に入ってから身につけてしまった癖がある。それは「どんな記事でもコラム仕立てにしてしまう」というものだ。スポーツ記事を書く際も企画ものの時も、自然とそうなってしまう▼癖になっていることに気がついたのは昨年の秋。原稿をチェックしてもらう度に、いつからか「コラムみたいだから変えて」と指摘されるようになっていた。入部した頃は耳にしなかったはずの一言だ▼そもそもコラムには形式がいくつかあると私は考えている。特定の内容を毎号連載するものもコラム。また、特集記事に関するテーマを軽快に綴った囲み記事もコラムのひとつなのだ。多少の相違はあるが、いずれも通常の記事とは対比がつく。だがコラムばかり担当していた私は、両者の違いを忘れかけていた。なんと間の抜けた話であろうか▼さて、悪い癖のもとを突き止めたと思ったのも束の間。私は来月で引退だ。あと1回しか新聞編集に携わることができないのである。最後は絶対にあの一言を言われないようにしたい。(紫)