「もったいない」。私が教職課程の履修を今年でやめたと告げた時に、友人が発した言葉だ▼すでに必要単位の半分以上を取得済みだったため、やめることは惜しいと思ったのだろう。実際、続けることもできた。しかし、本気で教師を目指している友人と授業を共にするうちに後ろめたさを感じ始めていた。この2年間私は中途半端な気持ちで教職の授業に臨んでいたのだ。言わば保険としての履修である▼将来についてきちんと考えていない自分に対する焦りから、教育に携わりたいという理由をこじつけ、授業を受けてきた。とは言え、3年生になった今や、そろそろ本当にやりたいことと向き合わねばならない。実は、教育に限らずもっと広い分野で、人や社会に還元することのできる仕事に興味がある。にも関わらず、倍率の高さや試験科目の多さなどを理由に諦めていた。それでも、将来やりたいことを再確認した時、教職に見切りをつけ1度は諦めたものに挑戦する覚悟ができたのだ▼なかなか踏ん切りをつけられないことは多々ある。だが、自分を欺きながら物事を続けても、本気にはなれない。これからも、目標と力量との間で悩むことはあるだろう。そんな時、満足のいく決断を下せる人間になりたい。(瓏)