今日から始める温暖化対策

 私たち学生は、地球温暖化を防ぐために何ができるのだろうか。環境省に所属する関東地方環境事務所の環境対策課職員、井土八造さんと安達研さんにお話を伺った。
 初めに、私たち学生ができる簡単な温暖化対策について聞いてみた。「実家にお住まいの方も一人暮らしの方も、待機電力を抑えてもらうのが早いでしょう。テレビは主電源を切る。パソコンも使っていないときには切ってしまう。これだけでもだいぶ違うんですよ」。このように待機電力を50%削減すれば、年間で約60?の二酸化炭素を減らすことができるのだという。
 電気メーカー産業でも、電力を削減できるような製品を開発、販売を進めている。「昔は冷蔵庫もオゾン層を破壊するフロンを使用していましたが、今はあまり使われていません。温暖化が叫ばれるようになって電気製品のエネルギー効率が改善されたのです。このような電気製品の、省エネルギー度を評価するスターマーク(省エネラべリング制度)というものもあります」。こうした製品の割引を行い、買い替えを補助する企業もあるらしい。買い替え時にこれらの製品に切り替えるのも有効だろう。
 また、私たち学生は通学や旅行などに交通機関を多く利用する。このときに、なるべく車ではなく電車を用いたり、車を運転する場合もエコドライブを心がけることが重要であるという。「アイドリングストップを少しでも実行すれば、エネルギーはカットできます。今の車は性能が良いので、エンジンをかけたらすぐに発車できますから、時間のロスはそれほどありません」。加えて、急ブレーキや急発進をしないことも効果的ということだ。
 しかし、このような温暖化対策の方法を知ってはいても、実行に移すことは難しい。この点については何か工夫できないだろうか。「目標を決めると実行しやすいと思います。例えば1人1日1?削減、というように。この運動に参加していると特典をつけてくれる企業もあるんですよ」。特典としてもらったグッズを家に置くことで、温暖化対策について忘れずにいられる効果もある。
 グッズについて言えば、最近はマイバッグの種類も増え、ブランドからもエコバッグが発売されている。さらには「国が発行しているエコ雑誌も、見た目には普通のファッション雑誌と変わらないように工夫してあります」というように、?おしゃれ?なグッズを用いたエコ活動で若者の心を掴む動きも見られる。少し注意を向ければ、様々な工夫がなされた温暖化対策活動が行われていることがわかるだろう。
 最後に、温暖化対策における普段からの心がけについてのアドバイスをいただいた。「気がついたところから少しずつ。当たり前のことを今までやってこなかったんです。そういうことに一人ひとりが気づいていけば、必ず良くなるでしょう」。
 私たちのごく身近なところで温暖化対策は行われている。私たちが関心さえ持つことができれば、実行するのはそれほど困難ではない。まずは自分にできることから、始めていけば良いのだ。(筒井久実子)