[3面]知りたい!トレーナーのお仕事

 横浜・八景島シーパラダイスには、個性あふれる3つの水族館が揃っている。海の生き物とふれあえる「ふれあいラグーン」は、生き物がのびのび暮らせることに配慮しながら、見学者との仕切りを可能な限り取り除いた開放的な作りが特徴だ。他にも、元気に頭上を泳ぐイルカたちに心安らぐ「ドルフィンファンタジー」や、ピラミッド形の外観が特徴の、日本最大級の水族館「アクアミュージアム」がある。そして、そこに併設されているのが「アクアスタジアム」だ。ここでは、動物たちの迫力満点、楽しさいっぱいのショーを観覧できる。
 今回は、そんな魅惑の舞台の仕掛け人、ショートレーナーの仕事をクローズアップしてみた。彼らの主な役目はやはり、ショーを行うことだ。しかし、華やかなステージを一歩離れれば、餌作りや水槽の掃除、動物の健康管理など、質実な仕事が待っている。だが彼らにはトレーニングや遊びを通して、動物たちとより密接な関係を築けるという、他にはない素敵な特権があるのだ。
 そのためこの仕事は、動物好きにとってはまさに天職といえるだろう。とはいえ、ショーに出る動物たちと思うようにコミュニケーションがとれなかったり、思わぬハプニングに対処したりと、彼らの苦労は絶えない。けれども、様々な苦難を乗り越えてこそ、トレーナーと動物も成長できるもの。練習の成果が表れ、動物たちと息を合わせることができた瞬間は、最高に嬉しいそうだ。また、お客さんがショーを見て喜んでくれている時も、仕事のやりがいを心から実感できるという。
 そもそも彼らがこの仕事を目指したのは、幼い頃に見たショーがきっかけだという人が多い。かつて思い描いていた舞台に、いつしか自分が立っていたのだ。さらに、ショーを見た子供たちにも、自分が味わったような感動を与えられれば、と願っているという。そんな想いを胸に抱き、彼らは人々に夢を与え続けている。(小室真衣子)