[2面]悲願の連覇に涙 バレーボール男子

【21日 大学体育館】
 男子バレーボール決勝戦に勝ち進んだのは、クエーサー(本学B)と成蹊Aだった。今大会で引退の3年生がいるクエーサー(本学A・本学C)は、惜しくも途中敗退。先輩達の期待を一身に背負い、本学Bは決勝に臨むこととなった。試合前、谷村大介主将(法2)は「敗れたチームのためにも、必ず優勝します」と真摯な表情で話した。
 しかし、相手もここまで勝ち抜いてきた強敵。第1セットでは序盤から連続して得点を奪い、4―8とわずかにリードを取ってくる。対する本学も負けじとスパイクを決め、着実に点差を縮めていく。そして中盤になって遂に、14―13と相手を追い越した。その後は、サーブ権が行き交う激しい攻防戦が繰り広げられ、拮抗した点の取り合いが続く。両者一歩も引かず、やがて24―24のデュースへともつれ込んだ。緊迫した雰囲気の中、本学が2点先取を成し遂げ、28―26で第1セットを制した。「あのデュースは、本当にどちらに転ぶかわからない苦しい勝負でした。けれど、ミスなく得点に繋げていくなかで、チームが一つになれたと思います」と谷村主将は振り返っていた。
 続く第2セットも、両者互角と思われるようなせめぎ合いとなる。ネット際に落ちるきわどい球も、互いにもらすことなく拾い合う。しかし、相手の攻撃を力強いブロックで封じ込めると、15―9と本学が優位に立った。この勢いのまま逃げきれるかと思いきや、第1セットを取られ後のない相手が、必死の粘りを見せてくる。ミスも重なり、15―14と僅差にまで追いつかれてしまう。
 だが、本学は後半から上手く流れを掴みとった。ラリーの末に、神田敬太郎選手(済4)が次々とスパイクをコートに叩き込む。4連続で得点を挙げ、再び点差を広げることに成功。完全に気圧された相手は、終盤になってから痛恨のサーブミスを連発する。その結果、25―23で本学が第2セットも奪取し、見事優勝の座に輝いた。
 プレッシャーを乗り越え、勝利を手にした本学の選手達。試合終了後には、抱き合いながら互いの健闘を称えていた。谷村主将は、「連戦続きだったこともあって、体力的にも精神的にもとても辛い試合でした」とこれまでの苦渋を語る。さらに、「優勝することで、引退する先輩方に最後の恩返しができたと思います」と感謝に満ちた胸中を打ち明け、静かに涙を見せた。
 全力を出し尽くし、並み居る強豪を打ち破ったクエーサー。この経験を糧にして、来年再来年と、彼らはさらなる躍進を続けていくだろう。(市川美奈子)