リーグ制覇へ着実な1勝

  Bリーグを全勝優勝し、Aリーグへ昇格することを目標としている本学。この試合は総当たり戦の中間地点であり、いかに緊張感を持って戦えるかで今後にも大きく影響してくる。試合前のウォーミングアップや、円陣を組んだ際に大きく声を上げ、いつも通りの実力を出せるよう意識する選手達。時折り風が吹く曇天の中、命運を懸けた試合が始まった。
 前半は一橋大の先攻でキックオフ。思い切り良く蹴られたボールを、本学がすかさず奪い取る。そこから、グラウンド中央で激しいぶつかり合いが起こった。こぼれ落ちたボールを、本学FWが抜け目なく拾って走りだす。これで一気に攻めたいところだったが、相手の強烈なタックルによって倒れこんでしまった。だが、この後に本学がマイボールの権利を得ることとなる。キャッチングに成功すると同時に、選手達は敵陣深くまで切り込んだ。しかしゴール直前でスクラムを組まれると、惜しくも場外にボールを押し出されてしまう。また、本学選手が出血するアクシデントが起こり、マネージャーが駆け込む場面もあった。
 だが、本学はこの逆境にめげない。一橋大を自陣にまったく寄せつけず、常に相手ゴールの前に留まって攻め続ける。ついに前半16分、ゲームが大きく動いた。地力で一橋大を圧倒し、怒涛の勢いで防御を崩すことに成功した本学。さらに吉田征令主将(済4)がボールを持ち、相手の守備が手薄になった所を狙って猛然と疾走する。ここでラックから芝展侑選手(営4)がボールを出した。本学は吉田主将へ、さらに小澤健紳選手(済4)へパスを繋いで相手ディフェンスをすり抜けトライ。日頃の練習を感じさせる、目にも止まらぬ素早い連携を見せつけた先制点であった。余裕を保ちつつ、チームは25分にも得点してリードを広げる。その後、一橋大に3点を返されたものの、本学ペースのまま12―3で試合を折り返した。
そして吉田主将のキックで試合は後半戦に入る。直後にボールを取られてしまったが、機動力に優る本学はすぐにそれを取り返した。前衛の間でパスが回り、吉田主将が一橋大の陣地に突進、ディフェンスを押しのけて力強くトライした。後半開始2分30秒、あっという間の早業である。
相変わらず本学有利の状況が続くが、一橋大も食い下がってくる。相手ファウルからボールがグラウンドに投入されると、すぐさま熾烈な奪い合いが始まった。しばらくの間、一進一退の攻防が繰り広げられる。この膠着状態から、最終的には本学が抜け出ることとなる。試合開始から、常に相手のディフェンスがいないところに目を配っていた本学攻撃陣。一瞬の隙を突いて、工藤和哉選手(済2)と河田萌輔選手(済4)が守備網をかいくぐったのだ。これで、本学は再びゴール前まで攻め込んだ。進撃は止まらず、後半15分に村松修選手(法2)がトライを決め、22―3として一橋大を封じ込めた。
 結果、本学は追いつかれることなく27―8で勝利を収める。吉田主将は「勝つことはできましたが、まだまだ向上の余地がありました。常に挑戦者であることを忘れずに、残りのリーグ戦を戦い抜きます」とあくまで冷静である。本学のチャレンジはどこまでも続いていく。(澁谷毅士)