繋げる、一部の座 ソフトボール部男子

 灰色の雲が空を覆い、秋らしい肌寒さを見せた10月14日、東京都秋季リーグ1部の試合は最終日を迎えた。国士舘大学多摩キャンパスで行われたこの日の相手は桜美林大。夏の試合ではコールド負けを喫した相手である。4年生にとって引退試合でもある今回の対戦では、是非ともその雪辱を果たしたいところだ。
 本学は後攻。1回表、いきなり1死満塁という窮地に陥る。だが馬場将大投手(済4)は冷静なピッチングで三振を奪い、次打者も右中間フライに打ち取り、何とか無失点で凌いだ。反撃に出たい本学は同回裏、2死ながらランナー1、2塁とチャンスを作る。ところが、キャッチャーフライで得点の機会を逃してしまい、初回は0―0というスコアで始まった。
 続く2回表は三振を2つ奪い、さらに野手の精力的な守備もあって、相手の攻撃を完封。そしてその裏、トップバッターの神田浩史選手(済2)が芯で捉えた打球は、ライトのフェンスまで届きホームランとなった。着実に試合の流れを引き寄せてゆく本学は、3回表も出塁を1人に抑える。その裏に追加点を挙げることはできなかったものの、ランナーを3塁まで進め、安定したプレーを展開して序盤戦を終えた。
 しかし直後の4回表、本学は無死1、3塁という危機的状況に追い込まれる。盗塁を試みた1塁走者からタッチアウトを奪うが、その間に3塁走者の生還を許し、同点に追いつかれてしまった。再び点差をつけたいところだが、攻撃側となった本学はランナーを帰せず攻守交代を迎える。
 試合が大きく動いたのは5回裏、2死ランナーなしという状況下であった。江森敬太選手(営2)が出塁すると、続く首藤亮太主将(済4)がライトへタイムリスリーベースヒットを放った。さらに四球で1、3塁とチャンスを広げると大江直哉選手(法2)のタイムリーヒットで、3―1と桜美林大を引き離すことに成功。その後も本学は6、7回と連続無失点で乗り切り、堅守を存分に発揮して勝利を掴んだ。この白星で本学は1部リーグ残留が決定した。
 2年前に1部への昇格を果たした本学の男子ソフトボール部。試合後、首藤主将は「先輩方の残してくれた1部の座を最後まで守り抜くことができました。それと同時に後輩にも1部という舞台を残せたので、これからも頑張って欲しいです」と安堵した表情で語った。
 今後4年生はもう役者ではなく、観客としてこの舞台を眺めることになる。この最高のステージでこれからどんなドラマを演じていくのか、残された選手達の活躍に期待が寄せられる。(和田恵理子)