全国での熱戦 剣道部男子

平成19年10月28日、第55回全日本学生剣道選手権大会が日本武道館にて行われた。この大会を目指して、苦難の道をひた走ってきた本学剣士達。予選である関東大会においては、敗者復活戦の大将戦で劇的な勝利で、本大会への出場権を手にした。これは実に10年ぶりの快挙である。推薦制度により強者がひしめく地区で、彼らの血の滲むような努力が報われた結果だ。そして静けさが会場を支配する中、ついに全国での戦いが始まった。
 初戦の鹿児島大との試合では、次鋒の神山聡志選手(日2・こうやま)が奮闘を見せた。先鋒が二本負けを喫し、これ以上相手を勢いづけることはできない場面。彼は虎視眈々と攻撃の機会をうかがっていた。そして開始3分58秒、素早く面を決めて一本勝ちを収めた。これで勝ち数が並び、後続の負担が一気に減ったことで勝負の行方は分からなくなる。
 続く4人は引き分けとなり、勝敗は大将戦に委ねられた。ここで石崎哲理主将(済4)の出番である。ここまでは鹿児島大が勝ち本数で勝っており、引き分けてしまうと本学の敗北となる。なんとしても一本が欲しいこの状況で、彼は意地を見せた。開始45秒、石崎主将は相手の虚を突いて小手を抑え一本を取る。これでチームの形勢は逆転、主将は制限時間まで粘って勝利し、とうとう2回戦進出が決定した。
 続いては富士大との対戦である。先鋒の正田峰仁選手(政3)がしっかりと二本勝ちし、流れは本学に向いているように見えた。ところが、選手達は慣れない大舞台の雰囲気に呑まれてしまい、実力を出せないまま次々と敗北。残念ながら、本学は上位入賞を果たすことはできなかった。
 石崎主将は「やはり、経験の差がものを言いました。対戦校とそれほど実力差があったとは思えません。ぎりぎりの勝負では、精神面も重要な要素なのだと改めて実感しました」と振り返る。しかし、全日本で戦ったという大きな下地はできた。これを活かし、本学は来年も大進撃を続けるだろう。(澁谷毅士)