頂点に立つ キックボクシング部

 去年の11月17日、後楽園ホールにて全日本学生選手権決勝戦があり、須藤雄大選手(政4)がバンダム級に出場した。本学の学生がこの舞台に立つのは初めてのことである。全国から応援に駆けつけた友人らの大歓声を浴びながら、颯爽と入場する須藤選手。相対するのは、國学院大の飯田祐介選手である。
 開始直後から、須藤選手はリーチの長さを生かし、キックを中心に攻めていく。だが相手も踏ん張り、両者一歩も譲らぬまま、瞬く間に第1ラウンドを終えた。続く第2ラウンド、須藤選手はパンチを受けた右腕を押さえる場面もあったが、すぐに立ち直ってみせる。前ラウンドと同様、互いに大きなダメージを与えられず、決着は最終ラウンドへもつれ込むことに。
 インターバルを挟んだ後、いよいよ運命のゴングが鳴り響く。ここでも拮抗した内容で試合が進むが、2分過ぎに分岐点となる場面が訪れた。相手がパンチを放とうとした瞬間、須藤選手のカウンターが炸裂。ダウンこそ奪えなかったものの、右ストレートを顔面に浴びた相手は膝を落とした。攻めの姿勢を崩さなかったことが、ついに結実したのだ。こうして、須藤選手が優勢なまま戦いは幕を下ろした。そして、勝敗は判定に委ねられることに。その結果、須藤選手に軍配が上がり、見事にバンダム級チャンピオンの称号を手にした。
 激戦の後、須藤選手は「終盤に決めたカウンターで、勝利をたぐり寄せたと思います。苦しい闘いでしたが、大声援の後押しもあり、前に出る気持ちを最後まで持つことができました」と力強く語った。須藤選手にとってこの一戦が格闘技人生最後となるが、彼の熱い闘志は後輩達が受け継いでくれるはずだ。キックボクシング部のさらなる飛躍に期待したい。(宮川雅志)