躍進見せる経済学部 平成20年度入学試験 

 まず学部別に志願者数を見ていくと、経済学部の人気が際立っており、前年度比で1472名と著しく増加した。文学部では、英語英米文化学科やドイツ語圏文化学科、フランス語圏文化学科の学科名変更、それに伴うカリキュラムの大幅な改革が行われたが、志願者数は横ばいとなった。理学部の志願者数も同様の結果である。一方で法学部は、776名の大幅な減少に転じた。
 地域別の志願者数はほぼ例年並みである。本学は一般的に「首都圏型大学」と称されており、今年度も志願者数の84・5%が首都圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)に集中。この数値も志願者数同様、近年さらなる上昇傾向にある。
 このような首都圏を中心とした志願者増加は、本学の地道な広報活動によるところが大きい。例えば、関東の主要駅構内にポスターを設置し、オープンキャンパスの開催告知をするといったものだ。その結果を示すものとして、オープンキャンパス来場者の多くが、本学入試を受けているという事実もある。
 ちなみに、本学はセンター試験や全学部入試などを実施していない。それでも今年度一般入試の志願者が増加したのは、大きな理由がある。
 それは、本学の良質な教育内容や、「就職力」の高さなどが受験生に認知されているからであろう。就職力については、週刊誌や経済誌の大学就職力特集で、本学の上位格付けを目にすることも多くなっている。偏差値に並ぶものとして、企業や社会からの評価基準である就職力が注目されつつあるのだ。これは、今後の大学選択の新たな目安になっていきそうだ。また、入試日程を全体的に前倒しにしたことも、志願者増加に寄与したものではないかと考えられている。
 近年本学を含めた複数の大学群は、受験情報誌などで「G―MARCH」として、私大の上位に位置づけられている。これは、大学間においてもいわゆる「勝ち組・負け組」の表現が顕著になったことを反映したものだ。本学独自の魅力を前面に打ち出し、他大学との差別化を図っていかなければ、これからの生き残りは難しいだろう。
 本学には、理学部の生命科学科の新設構想や自然科学研究棟、中央教育研究棟の新築計画などが控えている。果たして、教育内容の充実やキャンパス整備を、入学者獲得に繋げることができるのか。少子化などによる全入時代の到来で、大学間の競争はますます激しさを増すだろう。そうした状況で、昨年から続く志願者増加の勢いを止めることなく、本学は邁進し続けなければならない。