たすきが繋ぐ熱き想い 四大戦駅伝 及部一仁さん(済3)

 伝統ある四大戦において、最高の盛り上がりをみせる種目、駅伝。及部さんは前々回、前回大会のチームリーダーを務め、今年度の四大戦にも参加を表明している選手だ。
 中高と駅伝を経験していた及部さんは、周囲の後押しもあって入学直後から駅伝出場を決意する。厳しい練習を自分に課し、自身を追いこんでいった。するとその努力が認められ、なんとチームリーダーに抜擢されたのだ。
 そうして迎えた2006年10月22日、運命のレースが始まった。レースは抜きつ抜かれつの緊迫した展開が続き、及部さんがアンカーとして、2位でたすきを受け取る。大声援がこだまする中で、無我夢中で走りぬけた結果、見事な逆転優勝を果たした。「一年生ながら皆を率先する難しさを学び、その状況下で勝ち取れた優勝の喜びは忘れられません。ただ、区間賞を取れなかったのが唯一の心残りでした」
 そして、昨年度の四大戦。前回の優勝によって大きな期待がかかる中、予想外のハプニングが起きる。予選会が幾度も延期されついには中止になってしまい、全体での練習がほとんどできなかったのだ。そのためか、順位は奮わず惜しくも3位。だが、一昨年の心残りであったMVPを獲得したこと、短期間で出会えた仲間と一緒にたすきを繋げたことが、何よりの大きな財産だったと及部さんは当時を振り返った。
 彼が2年間、駅伝を通じて最も強く感じたこと。それは、誰もが主役になれるチャンスを持つ四大戦の醍醐味だ。「四大戦は院内戦を勝ち抜けば、一般学生の誰もが出場機会を作ることができる点に特徴があります。だからこそ、皆さんにも積極的に参加してもらえれば、と願ってやみません。僕にもできたのですから、皆さんも機会を活かせばもっと活躍できると思うのです。10月26日、共に学習院のたすきを繋ぎ、優勝の栄光を掴み取りましょう!」と、未来を見据え語ってくれた。
 彼はこれからも四大戦の魅力を伝えるべく、精進していく。あなたの大切な大学生活の1コマに、彼のように四大戦という熱きイベントを加えてみるのはいかがだろうか。(下里豪平)