編集作業の内に、赤入れというものがある。要は添削であり、自分の記事が先輩や同僚にチェックされるのだ。
 自分がまだ新米の頃、その赤入れを先輩からしてもらい、文章を書くことはなかなか難しいものだと痛感した。この作業には様々なルールがあり、それらを覚えるだけでも一苦労。生意気盛りの私であったから、なぜこんな決まりに従わなければいけないのかと、内心で腹が立ったりもした。自分から入っておいて、勝手極まりない。
 しかし、私も他者の記事を見るようになると、結局は同じ基準に則って赤入れをしているのであった。文章とその校正というのは主観と客観の激突であり、どうしても議論の着地点が必要になる。また、新聞という媒体の特性上、紙面に統一感を持たせることも重要だ。
 以上を踏まえ、やはりある程度の縛りは我々に必要なのだと考えるに至った。制限された中で自由意思を発揮してこそ、大人というものである。盲目的に規則に従わないようにも気を付けつつ、より良いメディアを作っていきたい。(毅)