読書評

電車屋赤城 無骨な男たちの生き様

元鉄道職員という経歴を持つ著者が描くのは、電車に命をかけた男たちの物語。彼らの熱き心には、多くの読者がぐいぐいと引き込まれることだろう。 車両整備を受け持つ、神奈川電鉄横須賀工場、通称「スカコウ」を舞台に繰り広げられる本作。引きこもりの青年…

水上のパッサカリア 愛した女が残した謎

先日、第10回日本ミステリー文学大賞受賞作が書籍化された。それも、名だたる選考委員達が大絶賛した注目の一冊だという。それならば読んでみようじゃないの、とさっそく購入。 舞台となるのは、東京から5時間ほど離れたQ県の田舎町。己に関する全ての過去…

チョコレートコスモス

舞台――それは、日常とは遠くかけ離れたところにある、華麗で目もくらむような別世界である。おそらく、一度は憧れたことがある人もいるだろう。 とはいえ、表向きの華やかさとは裏腹に、舞台裏ではいつも役者たちの本音と本音、才能と才能とがぶつかり合って…