毎回、新聞を作る期間になると、日常の雑事が疎かになってしまう。部屋の片付けや料理、果ては講義にまで支障をきたすこともある▼原因は理解している。一つには、複数の事柄に同時に集中できないという私自身の性格によるもの。もう一つは、いつアイディアが浮かぶか分からないという、創作活動の難しさによるものだ▼文章を書くとき、より適切な表現を求めて何度も推敲する。しかし、どうしても的確な言葉が思いつかないという場合が多い。その時、言葉は出てこないが、より当てはまる言い回しがあることだけは何となく分かる。この「何となく」という感覚を頼りに日々、文章を書き直す。その作業に気をとられてしまい、普段ならば何でもない些細なことに、困難を覚えてしまうのだ▼けれど、そのような自分を認めた上で、今年はその感覚を前向きに受け止めたい。不安感を、よりよいものが生まれる予感として捉えられるように。私はこの新しい1年を、そうなれるよう意識して過ごしていきたい。(泰)