夏季休業期間中に大型工事

 学生たちのキャンパスへの出入りがまばらになる夏季休業期間中に、今年度も学内の大型集中工事が各種実施された。工事がなされた建物は、東2号館、西1号館、南3号館、南6号館、北2号館、大学図書館の合計6棟。工事内容はアスベスト除去や経年劣化による改修など、長期休業期間にしか行えない大掛かりとなるものを中心に、学内の安全を図った。
 昨年度の専門機関による調査の結果、アスベストの使用が確認された学内の建物は北1号館、南2号館、南3号館、大学図書館の計4棟である。去年の冬季休業期間を利用して、アスベスト含有吹き付け材の除去工事を完了させた北1号館。それに引き続き、今回の夏季休業期間中にも南3号館、大学図書館を対象とするアスベスト対策工事が行われた。
 アスベストとは、耐熱・対磨耗性等に優れた天然の鉱物繊維のこと。その建材に適した特性から、本学の建物にも広く使用されていたようだ。健康被害についても、建材として形をとどめていれば人体への影響はないと言われている。しかし、飛散した状態で繊維を吸い込むと、肺がんや悪性中皮腫を発病する恐れがある。そのため近年、社会的にもアスベスト問題は注目されているのだ。
 施設部によると、学内におけるアスベスト含有値は極めて低く、繊維が飛散している事実は現在報告されていないという。こうした理由から、特別に教室の使用制限をする状況には至っていない。そのためか、これまでは吹き付け材の表面を固定させる処置に止まっていた。だが、さらなる学内の安全性を確保するためにも、将来に向けて追加的な対処が必要になってきたようだ。この方針に基づき、強い衝撃でもアスベストが飛散しないよう、アスベスト含有建物への工事が開始された模様である。
 夏季休業期間中のアスベスト関連工事として、南3号館では、教室や廊下の天井に使用しているアスベスト含有吹き付け材を除去。また、大学図書館の本館書庫の壁面には、固定化アスベストへの保護シートを設置した。そして、南2号館および大学図書館の本館は工事をせず、専門機関により定期的に状況を監視させる予定だ。これらの建物の除去工事を行った場合には、3、4ヶ月と長期間を要するものと想定される。このことから、工事期間が第2学期に食い込み、授業等に支障を来すことがないよう配慮した形だ。
 また、アスベスト除去等の工事のほかにも、経年劣化による改修工事が各種実施された。これにより、さらに快適な学内が実現するとみられている。なお、アスベスト含有建物の使用箇所、および改修工事の内容は表の通り。