新聞の利用法 実態調査

 では、大学生は新聞とどう関わっているのだろうか。そこで本学の学生を対象に、新聞についてのアンケートを実施した。
 最初に「新聞をどのくらいの頻度で読んでいるか」という質問をしてみた。若者は新聞離れが進んでいるとされるが、まったく読まない人は意外にも、全体の2割程度と少ない。だが毎日読むという人も4割にとどまり、本学の学生は新聞を読む習慣があまりついていないことがうかがえる。
 次に「新聞のどの面をよく読むか」という質問では、やはり総合面が最も多く、続いて社会面、スポーツ面という順だった。総合面でとりあえず重要な情報だけを得ておく、という読み方をする人が多いのだろう。一方、政治面、経済面、国際面を読むという回答は少なめな結果に。その中でも政治学科は政治面、経済学科は経済面と、学科によって読む面の傾向が表れていた。
 情報媒体としては、ここ数年であまりにも身近な存在となったインターネットも外せない。そこで、新聞とインターネットを比較した質問もしてみた。まず、「新聞とインターネットの情報のどちらをよく活用するか」という質問では、インターネットという答えが7割に。情報を探しやすい、気軽に使えるなどといった理由が多く、インターネットを急速に普及させた原動力もそこにあるのだろう。
 続いては、「新聞とインターネットの情報のどちらをより信用するか」という質問。今度は逆に、新聞の方を信用するという答えが8割に上った。「インターネットは無責任に情報を発信している場合が多い」といった意見が多く、情報の信頼性では新聞を挙げる人が圧倒的のようだ。しかし、「どちらも信用できない。新聞であっても、各社によって偏りがある」という慎重な意見もあった。
 最後に、「新聞は大学での勉強に役立つか」という質問を投げかけてみた。結果は、「大いに役立つ」「割と役立つ」が合わせて全体の6割で、ある程度は役立つと考える人が多いようだ。レポート作成や就職活動の際には欠かせないといった意見も多く見られた。
 全体を通して興味深いのは、より信頼するのは新聞だが、よく活用するのはインターネットだという結果。やはりインターネットには利便性の点で強みがある。だが8割の学生が読むように、新聞もその必要性を失ってはいない。新聞に対する信用を維持するため、各新聞社は質の高い記事を提供し続けることが必要だろう。(今村隆介)