長い役目に幕おろす 八幡平松尾校舎

 8月7日、本学施設の一つである八幡平松尾校舎が、最後の一般公開を終え閉校を迎えた。この建物は、これまで数多くの学生が校外学習の場として利用してきたものである。
 同施設は元来、岩手県松尾村(現八幡平市)の鉱山に建てられた、松尾鉱山病院であった。緑豊かな自然に囲まれたその敷地は、ちょうど岩手山を望む位置にある。こうした立地環境の良さが教育施設に適していたことから、昭和46年に本学が校外施設活用を目的として譲り受けた。自然環境をそのまま校外教育に活用するため改修を行い、さらに隣接国有地譲渡等の整備を重ねた。こうして、本院中・高等科などの施設として、多くの来校者を受け入れてきたのだ。
 しかし、近年の校外教育の多様化により利用者が減少。さらに、築後約50年を経年した建物の老朽化が深刻になってきた。こうした理由から、施設の維持、管理が難しくなり、校舎は閉校へ至ったという。 
 6月18日に行われた閉校式には、島津久厚名誉院長、波多野敬雄院長らが出席。また、校舎にゆかりのある地元関係者らも多数参列し、波多野院長からは八幡平市長へ目録が贈呈された。今後は本院が取り壊しを終了させた後、敷地は八幡平市に公園用地として譲渡することが決まっている。多くの人々に惜しまれつつも、半世紀を経た施設は、その長い役目にようやく終止符を打った。
 同市では跡地を記念公園として整備し、環境を維持していく意向を示しているようだ。開園日程や、新施設についての詳細は、これから市で検討されていく模様である。
 なお、取り壊し作業はすでに始まっており、10月末をもって工事が完了する予定だ。長年多くの人に親しまれてきた校舎も、これからは公園として新しい歩みを始めることとなる。