大幅採用際立つ 平成18年度就職状況

 就職部より、平成18年度の就職状況が発表された。今年の就職率は全体で95・9%、男子が95・3%、女子が96・4%。この就職状況は4月24日現在のもので最終結果ではないが、この時点で既に昨年度を上回る数値となった。
 今年の傾向としては、例年以上に大手企業からの採用がみられた。中でも、金融分野における内定者数が群を抜いている。三菱東京UFJ銀行の68人(前年度21人)や、みずほフィナンシャルグループの50人(前年度45人)と、「銀行・信託」への内定者数は232人にも及ぶ。また、その内訳を見ると、従来を上回る女性の大幅な採用が目を引く。企業側の、性別を問わない採用の姿勢が結果に表れている。
 森川正和就職部長は18年度の結果について「金融関係企業への就職率34%をはじめとし、大手企業への就職が活発に行われています。景気の回復・団塊世代の退職などいくつかの要素が重なり、今回の結果につながったようです」と評価している。しかしその一方で、いわゆる「就職浪人」となった卒業生がいることも事実として重く受け止めた。「企業の選考基準は、学生時代をいかに有意義に過ごしたか。いわゆる人物重視です」。好況と言えど、決して企業の学生を見る目が甘くなったわけではない。採用の枠が広がっても、人材の「質」は常に問われるのだ。
 また、今後の見通しについて森川部長は、数年間は同様の傾向が続くものとみている。だが、早期離職者が近年増加していることに対しては、看過できない問題として対策を講じる構えである。「早期離職の防止のためにも、学生生活を積極的に行動し、人として成長を重ね、組織に順応できる力をつけてください。それこそが企業の欲する人材と言えるでしょう」と、就職活動へ向かう学生たちへのメッセージをいただいた。学生には、採用枠の拡大に気を緩めることなく、就職活動に対する芯の通った意識が要求される。なお、内定者数の上位企業は表の通り。