自分の代の人間が部の中核を担うようになり、私もようやく責任を自覚し始めた。そうした中、いつも念頭においておきたいことがある。誰かに仕事を任せる際には、相手を信頼するというものだ。
 人に何かを頼む時、私はなんとなく不安を感じてしまう。自分のやるべきことを相手に押しつけてはいないかという懐疑から、そうした感覚が生じるのだ。誰かに仕事を預けることは、自分の責任を放棄してしまう行為のように思えて仕方ないのである。
 しかし、編集作業は自分一人の力でできるものではない。多くの先輩方がそう接してくれたように、私も担当者を信頼して仕事を託し、支えていきたい。最近はそう考えらるようになってきた。
 人に何かを任せた時、委任者にはその行為に対する責任を全うする義務がある。上の立場の人間がこの務めを果たすこと。それは新聞作成という組織的な作業の中で、本当に大事なことなのではないのだろうか。「信頼してるよ」と言うことの重みと大切さを、今後も忘れないでいきたい。(熊)