[1面]平成19年結果 新司法試験

 平成19年度の新司法試験の合否が発表された。本院からは法科大学院卒第1、2期生が多く受験したこの試験。2回目の実施ともあり、院生達の前年度の試験を踏まえた学習プランの成果が期待されるものだった。
 本院からは合計19名が合格。その中で、合格者の大部分が法学既習者である点では、幅広く人材を募るという新司法試験の設立目的にそぐわぬ結果となってしまった。一方で未習者も成果を挙げられたことに関しては、本院の指導の有効性も示されたとの見方もできる。入念に過去問を分析し対策を練ることが、難関突破の糸口となるだろう。
 実際、本院の合格率は28.4%にとどまり、決して高いとはいえない。しかし、18年度卒業の第1期生の合格率は6割に上っており、まずまずの結果ではないだろうか。これについて、法務研究科長の野坂泰司氏は「決して満足すべきものではありませんが、2期以降の学生もこれに続き、たくさんの合格者を出してくれると信じています。私達は、今後さらなる好成績を目指していくつもりです」との意見を示している。
 また、同氏は「法科大学院は、新司法試験合格のための受験技術を身につけるだけの所ではありません。高度な法学専門教育を通じ、学生に優れた法曹としての力を身につけさせていく場所となります」と学校そのものの在り方についても語っている。これからは、豊かな教養を持つ人材をより多く卒業させていく機関として、礎を築いていくだろう。即戦力として法曹界を担う人々を養うことが、今後の本院の目標だ。着実な教育が、来年の結果に結びつくことが望まれる。