[2面]笑う門には福来る お笑いライブ

【4日 西5―B1】
 秋晴れが心地よい大学祭最終日、本学にとって2回目の試みとなるお笑いライブが開催された。今回の出場者は、人気女性コンビのハリセンボンと、最近注目を集めるジパング上陸作戦。チケットは即完売し、立ち見客も出るほどの盛況ぶりから、その注目度の高さが伺える。
 開演前から興奮気味の観客が注視する中、まず登場したのはジパング上陸作戦の2人。「日本一面白い外国人と、世界一つまらない日本人」を自負する異色の国際派コンビだ。芸人の王道ともいえる青いスーツを着たチャドさんは、英語と日本語を駆使し、意表を突いたボケで会場を沸かせた。一方、冷静で歯切れの良いツッコミが特徴の加藤貴博さんは、チャドさんとスピーディーな掛け合いを繰り広げる。途中、加藤さんが渾身の一発ギャグで、「どんなネタでも滑る」という汚名を返上しようと奮闘する場面もあった。観客の笑いのツボをしっかり押さえたネタが次々と披露され、会場には観客の笑い声が絶え間なく響いた。
 ジパング上陸作戦の退場後、熱気冷めやらぬ会場に姿を現したのは、ハリセンボン。盛大な拍手と歓声で迎えられた二人は、テレビで見るよりも、ずっと女性らしい印象である。客席から上がった「カワイイ」の声に反応した近藤春菜さんは、「知ってる!」とさも当然のように返答した。そして、カップルで来場したという観客には「幸せ者は帰れ!」と言うなど、負け犬キャラを全面に出したトークで、会場を盛り上げていく。
 さらに、カンニングの武山隆範や角野卓造に似ていると、自他ともに認める春菜さんは「私がそっくりなのは、中年男だけ」と嘆く。対照的に、死神の異名を持つほど、線の細い箕輪はるかさんは「わたしのこと見えていますか」と質問し、笑いを誘った。続いて、観客に学生が多いということもあり、二人は「将来の夢」を題材にしてコントを展開してくれた。「24時間、食事をしていたい」と自身の夢を語る春菜さんに、「芸人なら、冠番組持ちたいと願って」とはるかさんの的確なツッコミが入る。2人の自虐と自信が入り混じった絶妙なコントに、満場の人々は大爆笑だ。
 ライブの最後には、2組のコンビの直筆サインをめぐる大抽選会が行われた。再び登場した彼らの手によってくじが引かれ、幸運な5名に色紙が手渡される。その間も、当選者の男の子に対して、ハリセンボンが「お母さんですよ」と声をかけるなど、出場者達は巧みな話術で楽しませてくれた。
 間近で観る生のお笑いは、テレビで眺めるよりもずっと勢いがあり、数十倍面白く感じられる。今回登場してくれた2組が放つ強烈な笑いのパワーに、本学学生の祭り疲れも、一気に吹き飛んだに違いない。(賀来潤恵)