学習院の自然

 約20万平米という広さを誇る本学のキャンパス。その最大の魅力は、恵まれた自然環境にあります。都内とは思えないほど緑が多い構内では、一体どのような植物や動物を見られるのでしょうか。
 まず、学習院を代表する植物といえば、院章であるサクラを思い浮かべる人が多いでしょう。並木道のサクラが満開に咲き乱れ、薄桃色の花弁が舞う光景は、本学の学生の記憶にいつまでも鮮やかに残り続けるはずです。
 もちろん、大学に色彩を添えるのはサクラだけではありません。四季の移ろいとともに、サルスベリキンモクセイイチョウなどが本校の装いに変化をもたらすのです。さらに、シイノキやメタセコイアケヤキといった樹木もうっそうと葉を茂らせています。
 ところで、西5号館の横を通る道の中央に、大きな樹が1本あるのをご存知でしょうか。西5号館の6階にまで幹が伸びている、その巨木の名前はユリノキ。この樹の特徴について、学習院動植物研究会(ダソヒュラカス)の浅野栄市さん(哲4)と鈴木栄三さん(独4)にお話をうかがってみましょう。「明治期に、東京市が数種の街路樹を選定しました。その内の1つであるユリノキは、東京の街造りを支えてきた樹なのですね。構内では大学図書館前などでも見られますよ」と浅野さんは語ります。また、鈴木さんは「ユリノキの英名はチューリップツリー。その名の通り、初夏にはチューリップのような花で、私達の目を楽しませてくれます」と教えてくれました。
 さて、このように緑豊かな本学には、都心では珍しい動物や虫などが生息していますが、中でも特に目撃情報の多いのがタヌキです。守衛さんによると、タヌキはかなりの数がおり、夜になると至る所で見かけるとのこと。なお、稀にハクビシンにも遭遇するそうです。
 多種多様な生物が共存している学習院の森は、私たち学生にとっての空気清浄器といえます。勉強疲れやストレスが溜まったら、ぜひ校舎の外に出て深呼吸をしてみて下さい。普段忘れがちな自然の風を吸い込めば、きっと清々しい気持ちになれることでしょう。(賀来潤恵)