演劇に対する意識調査

 今回、新設された「身体表象文化学」について学生たちはどのような意識を持っているのだろう。アンケート形式で、新専攻の認知度や「演劇」について、本学の学生に回答してもらった。
 まずは、身体表象文化学の存在を知っているかという質問をしたところ、3割ほどの学生がその存在を知っていると答える。このように、今年度から始まったということもあり、学生にはまだまだ認知度が低いのが現状のようである。
 次に学問としての「演劇」に対する意識について質問した。その結果、6割の人々が面白そうと答える。理由としては「これまでにない学問領域なので興味がある」または「普段接することのない分野だから」という意見が挙げられていた。やはり、新鮮味があるというところに、多くの学生の興味が集中しているようだ。その反面、つまらなさそうと答えた4割は、次のような理由を述べている。「もっと現実的な学問を学びたい」、「深く考えずに娯楽は娯楽として楽しみたい」など、学問としての演劇に対してはネガティブな見方もあるようだ。
 そこで、演劇を個人的に鑑賞したことがあるかを尋ねたところ、経験がある人は4割強であった。演劇を見たことがあると答えた人の中には50回と、相当の回数足を運んでいる人も見られた。また、演劇の最大の魅力について、多くの人はその表現力や場の空気を挙げる。その他、「映画と違って生で役者の演技を間近に見られる」などがあった。演劇を鑑賞したことがない人々の大半はその理由として、「料金が高そう」や「演劇は身近でないし映画の方が手軽だから」と答えた。
 アンケートの結果から、6割以上の学生が興味を持ちつつも、時間や金額的な問題から演劇の世界に今一歩踏み込めないでいるようだ。確かに演劇は、学校帰りに気軽に足を向けられる映画館と違い、少し敷居が高いのかもしれない。このような状態を打破し、より多くの若者が文化のひとつである演劇に触れる機会を持ってほしい。そこで、一風変わったこの身体表象文化学という分野に、軽く足を踏み入れてみてはどうだろう。(田上ひかり)