広がるキャリアデザイン 若きプロジェクト浸透目指す

平成20年度から、経済学部キャリアデザイン支援プロジェクトのWEBページが開設された。昨年度に設立したこのプロジェクトは、就職活動の支援のみに留まらず、学生が長期的に広い可能性を見据えてキャリアをデザインできるようなサポート体制を整えている。就職部との情報交換も行いつつ、今後は全学的な取り組みに発展することが期待される。
キャリアデザインとは、就職活動などのビジネスキャリアだけでなく、人生全体を見据えて進路を広く考えることである。自分がどのようなライフキャリアを設計したいかは、大学在学中から熟考することが望ましい。その援助となるのが、経済学部キャリアデザイン支援プロジェクトだ。
 ここ数年、本学の就職状況は着実に好転している。しかし、全国的に一度就職した後の離職率も高まっているという。就職活動の結果に満足できず、退職してしまう人が増えているのだ。
 このような事態を憂慮して、経済学部では学部・大学院改革の一環としてこのプロジェクトを立ち上げた。昨年度より正式にスタートし、現在もWEBページ公開やセミナーなどの活動を広げている。
 就職部との棲み分けを図るためにも、セミナーは学部ならではの専門的な内容も扱う。他にも、教授らがキャリアデザインを紹介する座談会などが開かれている。それらの報告はWEBページで閲覧でき、参加していない人々も情報を共有できるのである。
 このWEBページも、当プロジェクトならではの充実したコンテンツを持つ。その筆頭が、キャリアデザインについて講義形式で学べる本学独自の「キャリア・デザイン・ブック」だ。加えて厚生労働省の「適職探索ナビ」へのリンクなどもあり、学生に有益なデータが満載である。また、就職活動だけでなく、大学院進学も視野に入れた幅広い選択肢についての情報を提供しているのも特徴だ。
 そして特筆すべきは、今年度よりWEBページからも予約ができるようになったカウンセリングルームである。東2号館の12階にあるこのキャリア・カウンセリング室は、昨年度で延べ200名以上の相談者が訪れた。専門のキャリア・カウンセラーによるカウンセリングで、学生は各自に合ったキャリアデザインについて相談できる。
 今後、本プロジェクトはさらなる内容の拡充が見込まれる。今年度には会計関係の資格についてのセミナーの実施や、WEB上での履修ナビゲーターの開発が企画中とのこと。併せて女子学生を対象とした講演会やセミナーなど、ニーズに合ったイベントを行う予定だ。そのうえ、現行の有単位の授業に加え、キャリアデザインに関連した基礎科目を新たに開設することも検討しているという。
 キャリアデザイン支援委員である経済学部の青木幸弘教授は「とにかくライフキャリアについて考えることが大切ですね。どの学部の学生もWEBページを見て参考にしてほしいと思います」と関心を呼びかけた。