編集後記

 ある日の夕刊の記事の見出しで、私は見慣れない単語を目にした。「聴導犬」である。盲導犬は知っているが、聴導犬とは一体何だろうか。今号の企画を立てたのは、たまたま発見したこの疑問を解決するためである。逆に言うと、私自身もあの新聞記事を読んでいなければ、聴導犬を知らないままだったろう。
 本文中でも述べたように、補助犬は認知度が低いという厳しい現実がある。聴導犬介助犬という言葉は、今回の紙面で初めて耳にしたという人も多かったのではないだろうか。
 しかし、これは単に知るきっかけがなかっただけのことだろう。この特集を通じて、私が体験した「たまたま」がより多くの人にも起きてほしい。そしてこの認知度の問題を解決する糸口に少しでもなってくれれば幸いである。(和田恵理子)