荒くれ猛者集う 天下一武道会GP2007

【4日 卓球場】
 その眼で、真の頂点(おとこ)を見極めろ―天下一武道会は、最強の男を決める戦いである。昨年は開かれることがなかったこの催し。今年はK1ルールを採用するなど装いも新たに開催され、たくさんの注目を集めた。
 トーナメント1回戦の第2試合では、今大会の優勝候補、ムランバー・ソムデートN16選手が登場。対するはプロフィールが一切明かされていない、謎の人物ミスターX選手だ。ゴングが鳴ると同時に、相手の懐に飛び込み、ラッシュで畳み込むムランバー選手。ミスターX選手の出鼻を完全に挫くと、1R1分16秒に重い右のブローを放ちKO勝利を果たす。そのフィニッシュブローは、なんとリングを半壊させてしまうほどの威力であった。貫録をみせつけた、圧巻の試合内容である。
 また、戦闘民族GOBOH選手VS平和の使者DAIKI選手の試合も、大いに盛り上がりをみせた。試合が始まると、序盤からDAIKI選手は豪快なパンチを次々と当てていく。しかしGOBOH選手も手数で勝り、一歩も引かない。両者決定打を出せず、勝負は判定に持ち込まれることに。結果、DAIKI選手に辛くも軍配が上がった。
 その後も大会は進行していき、ワンマッチゲームなど幾多もの試合を経て、ついに決勝戦が行われた。勝ち残ったのはムランバー選手とDAIKI選手である。
 颯爽と登場したムランバー選手に対し、硬い表情で入場のDAIKI選手。盛大な歓声が湧き起こる中、戦いの火蓋は切って落とされた。両者とも連戦の疲れを感じさせない動きで、互角の勝負を展開させていく。だが中盤でムランバー選手のひざ蹴りが決まると、次第に流れは傾いていく。劣勢に立たされたDAIKI選手も終盤はクロスカウンターで応戦し、決して攻めの姿勢を崩さなかった。こうして互いに全力を出し切った結果、決着は判定に持ち越される。そして優勝はムランバー選手が見事射止め、笑顔を弾けさせながら、堂々と優勝トロフィーを天に掲げた。
 学習院ではあまり見る機会のない格闘技の大会。そこには、観客の誰もが熱く、拳を握り締めて試合に見入っていく情景があった。この男達の死闘を、観衆は決して忘れることはないだろう。(下里豪平)