心ときめく美の催し ミスキャンパス

【4日 百周年記念会館】
 広告研究会主催の『ミスキャンパス学習院』が、今年も盛大に開催された。ミス候補に選ばれ、出場したのは見目麗しい6人の女性達。その頂点に立ち、美の女王となるのは一体誰なのか。きらびやかな催しに、多くの注目が集まった。
 司会者の紹介で、ゲストのリリー・フランキーさんが登場。一世を風靡した小説『東京タワー』の話題で司会者と大いに盛り上がる。お得意のくだけたトークで、場内の雰囲気を和ませてくれた。  
 そして、待ちに待ったミス候補達の入場。会場が急に暗くなり、客席後方のドアにスポットライトが当たる。するとそこから、艶やかな振袖姿の美女達が現れた。熱い視線の注がれる中を、悠然と歩き出す。とりわけ城彩子さん(政3)は、赤い小花模様の振袖を見事に着こなし、華やかさを添えていた。全員が揃うと、ステージ上に色とりどりの和の装いが咲く。その絢爛さに、リリーさんも「とても似合っている。こんな綺麗な子達を眺めてると、お酒が飲みたくなるね」と満悦至極の様子でコメントした。
 続いてアピールされたのが、ミス候補達の日常風景を写した写真だ。リリーさんとの冗談を交えた会話で、楽しげな時間が流れる。伊藤えりかさん(仏3)は、中学生の頃に書いた書道の文字が看板になった写真を紹介。「字が上手いのは、女性にとって一番大事だ」とリリーさんからも賞賛を受ける。また、古月里奈さん(政3)のボランティア参加の写真には、場内から感心の声が上がった。その他、城彩子さんの留学先の友人とのツーショットなど、彼女達の多彩な表情が伝わってきた。
 ここで、お色直しのためにミス候補達は一旦退場。その間、映画研究部が手がけたプロモーションビデオ(以下、PV)が流された。最初の上映は、大原礼乃さん(英4)。動物と戯れたり、線香花火をしたりと身近な彼女を垣間見せる。まるでデートをしているかのような感覚に、見る者全てが酔いしれていた。
 そんな中でも、横内梓実さん(法3)のPVは、校内でお化けに追いかけられる、という奇抜なストーリーであった。「どうして横内さんだけドラマ仕立てなの?」とリリーさんも笑いながら指摘。一方、高橋沙織さん(英3)の作品は、ジャージでマラソンをする様子と、浴衣に日傘で散歩をするシーン、という意外な取り合わせだった。溌剌さと優雅さを兼ね備えた彼女は、洗練された印象を人々に与えたようだ。
 PVが終わると、再び花道から主役達のお出まし。先ほどの和装と打って変わって、なんと純白のウェディングドレス姿だ。慣れない衣装にはにかんだ表情を浮かべ、ゆっくりと歩を進めていく。花の妖精のように可憐な姿に、会場全体がうっとりと見とれる。「嫁に出す親御さんの気分だ」と、リリーさんも思わず胸を打たれたようだ。
 場内のムードが最大限に高揚したところで、いよいよ運命の投票の時間となる。甲乙つけがたい候補達を前にして、観客は迷いに迷って票を投じたはずだ。張り詰めた空気の中、まずは準ミスの発表。伊藤えりかさんの名前が呼ばれると、「えりか」コールが客席から沸きあがった。伊藤さんは、「ありがとうございました。鼻水が出てきました(笑)」と、涙ながらに受賞の喜びを語った。
 ついに、今年のミス学習院の発表だ。ドラムロールが鳴り響き、ライトが交錯する。そして、まばゆい照明を最後に当てられたのは――「エントリーナンバー3番、高橋沙織さん」。驚きながらも、前へ歩み出る高橋さん。鳴り止まぬ拍手に迎えられ、聡明でエレガントな魅力の彼女が、美の栄冠を手にした。
 コンテスト終了後、高橋さんは「この半年間で、他のミス候補や広告研究会をはじめ、多くの方々に出会えました」と受賞までの日々を振り返った。さらに、「皆で協力し合い、ここまで頑張れたことを何より誇らしく思っています」と打ち明ける。今回の経験が、大学生活での大きな思い出になった、と嬉しそうに微笑んだ。
 そんな彼女が美のために意識していることは、「よく食べよく眠り、常に笑顔でいること」だという。忙しい日常の中でつい忘れてしまいがちなことが、実は最も大切なのだろう。美人は1日にしてならず。日々の些細な心がけから、彼女の美しさは生まれているのだ。(市川美奈子)