未来を考えた政策 河野太郎氏時局講演

【4日 西2―201】
 今年も『時局講演』が、国際政治研究会により開催された。講師は、自由民主党衆議院議員河野太郎氏だ。
 始めに河野氏は、首相官邸でのお化け出現の話や、麻生氏と自らの父の話などを語ってくれた。そのユニークな話に、会場は笑いに包まれる。そして和やかな雰囲気の中、氏は聴衆に分かりやすいよう、ホワイトボードに図を書きながら説明を開始する。
 まず、エネルギー問題について取り上げた河野氏は、原子力発電所プルサーマルの実態を教えてくれた。「テレビではプルサーマルを、ウランのリサイクルと言っていますが、実は9割がウランでできているのです」と、報道されていることが、現実とは違うことを指摘。さらにプルサーマルの他にも、詳しい内容が知らされていない情報が多く存在すると話す。こういった政策が国民の議論無しに進められているのだと、氏は訴えた。
 また、河野氏は現在大きな注目を集めている年金問題にも焦点を当てた。氏はこれを、今国民が議論しなければならない問題の一つと捉えている。河野氏曰く現在の年金制度は、人口減少や労働力低下を考慮すると、近い将来機能しなくなるらしい。「仮に明日から子供の出産率が2倍になっても、労働力が回復するまでには20年かかる」と河野氏。「これからは、充てるべきところに充てていかないと、お金が無くなってしまう」と、未来に繋がる年金の仕組みを考えることの重要性を強く主張した。
 質問タイムでは国政研の代表質問に、「ここでも代表質問があるのか」とぼやいて、再び笑いを誘った。続く来場者からの質疑にも、落ち着いた様子で丁寧に答えていく。一人ひとりの問いかけに、真摯な態度で応対し、聴衆もその答えに満足したように笑顔を見せた。
 普段メディアを通してしか知り得ない社会情勢を、ユーモアを交えつつ伝えてくれた河野氏。次世代を担う若手議員としての今後の活躍に、期待が高まる。(須野原遼)