一進一退の攻防制す

 試合前日、「甲南戦は四大戦、関東大学リーグと並ぶ三大目標の一つですから、絶対に勝ちたいです」と今大会に懸ける強い思いを語ってくれた塚田一真主将(営4)。石井直之選手(政4)とペアを組み、先陣を切ってダブルスに臨んだ。
 しかし、出だしから本学はつまずいた。塚田主将のサーブで始まった第1ゲームを、ブレイクされてしまったのだ。けれども、本学も負けてはいない。次の第2ゲームは相手ペアのサービスゲームであったが、塚田・石井ペアが制する。これで勢いに乗りたい本学は、石井選手のサーブから第3ゲームをスタートさせた。ところがこのゲームを落とし、再度リードを許してしまう。その後も両ペアが互いのサービスゲームをブレイクする展開が続き、第6ゲーム終了時点で3―3とまったくの五分。だが、ここから抜け出したのは本学であった。第7、8ゲームを共に快勝すると、第9ゲームもデュースの末に塚田主将の豪快なスマッシュで相手を突き放した。そして5―4で迎えた運命の最終ゲーム、一時は0―30とされるが、その後相手のミスにつけこみ、逆転を果たす。この結果、本学は6―4で第1セットをものにした。
 第2セットに入ると、試合はこれまでとは異なった様相を見せる。塚田・石井ペアが相手を圧倒したのだ。序盤、塚田主将のサーブはフォルトも目立っていたが徐々にサービスライン内に決まり始め、猛威を振るう。また石井選手も相手が届かないコースへ、正確にボールを放つ。疲れも重なったのか、もはや対戦者たちはなす術がない。5ゲームを連取した本学は第6ゲームも40―30のマッチポイントとし、最後は塚田主将が試合を決めた。余裕を保ちつつ第2セットも本学が手にし、終わってみればストレート勝ちで初戦を飾った。
 一方で、柴田圭祐選手(法3)・崎田輝選手(法3)のペアは接戦を演じたものの、第1、2セット共に4―6で落としてしまう。また、伊藤純一選手(営3)と萬里小路直秀選手(営3・までのこうじ)のペアも惜敗し、ダブルス3試合は1―2で終了。
 そして午後からは、シングルスが始まった。本学はダブルスで負け越した借りを返し、逆転勝利を狙う。ところが、最初に登場した崎田選手は敗戦。石井選手は第3セットまでもつれ込んだ試合を競り勝つことに成功したが、続く伊藤選手は星を落とす。これで本学は窮地に立たされたが、ここからドラマが待っていた。まず塚田主将が7―5、6―3と相手を一蹴し、またもや本学リーダーとしての貫禄を見せつける。さらに萬里小路選手、松岡祐樹(政3)選手も、激戦を演じた末に勝ちを収めた。こうしてダブルスとシングルスの合計成績は5―4となり、本学は大会3連覇を達成した。
 試合後、塚田主将は「OBの方や女子部員が応援に来てくださり、本当に心強かったです。この調子で四大戦制覇、リーグ戦での3部復帰を掴みたいですね」と述べた。四大戦は6月、リーグ戦は9月に幕を開ける。強敵の甲南大を倒し、弾みをつけた本学。残り2つの大きな目標も、必ず成し遂げてくれるであろう。(宮川雅志)