友人と語りあったひと時 ドイツ語圏文化学科 保坂良子准教授

 今回は、ドイツ語圏文化学科の保阪良子准教授に学生時代の思い出を振り返っていただきました。その頃の先生は、どのような日々を過ごしていたのでしょうか。
 本学での大学生活
 当時の一番印象に残ったことは、写真部の活動ですね。合宿をしたり、展覧会を開催したりと、楽しかったです。私はよく、歌舞伎町や池袋へ行き、白黒写真を撮っていました。今はもう撮影していませんが、時々恵比寿の写真美術館に行って鑑賞しています。学業に関しては、授業を中心にドイツ語を学びました。学部1年生のときに活用していた、ドイツ語の文法の教科書は学生時代の思い出の品です。内容が良いので、今でも使っていますよ。また、新学期はいつも緊張していたことを覚えています。周りの人が新しく何か始めようと期待に満ちているとき、自分は何をしようと思って焦っていたからでしょう。時間割を組む際も、初めは意気揚々としているのに、そのうち気合も低下して疲れてしまうという感じでした。なので、今の学生の不安な気持ちもよく分かりますよ。あの頃は、学びたくても思うようにこなせていたわけでなく、もどかしさがありました。
 大切な仲間との出会い
 天気がいい日には、ピラミッド校舎の前のベンチで、友達とよく語り合っていたんです。議論をするのが上手な友人達のおかげで、考えを言葉にする訓練ができました。そして、意見を言い合って自分の想いを言語化することの大切さに気付きました。本当に良い仲間に恵まれましたよ。いろいろな友達に指摘されて理解したことが、後に影響していると思うことがあります。彼女たちとはお互いに忙しくあまり会えないのですが、手紙のやりとりの中で自分を分かってくれていると感じます。私にとって、友達との出会いは大きいものでした。みなさんも、多くの人と出会い、とことん意見交換をしてみて下さい。(取材・構成 木村明子)
 PROFILE
 1982年本学文学部ドイツ文学科卒業。82年から1年間、サンケイスカラシップ奨学金ミュンスター大学に留学。89年同大学院ドイツ文学専攻博士後期課程修了。94年より現職。